自分の理想が現実に。オープンシステムの家造りとは
施工主と職人、お互いの顔がわかり合える仕事
家を建てる場合、ほとんどの方は大手メーカーでの施工を選択しているはず。その理由について、仙台市で建築設計事務所を運営する羽鳥誠一さんは「お客様自身がほかの施工方法を知る機会が少ないためでは」と話しています。家を新築する際の一般的な情報の入手方法は、テレビコマーシャルや新聞チラシ、メーカーのモデルルームなどで確認するケースがほとんど。誰もが理想の家をできるだけ低予算で建てたいと考えているはずなのに、理想か予算のどちらかを妥協してしまうケースも少なくありません。
一級建築士の資格を持つ羽鳥さんは、現在オープンシステムという建築方法を推奨しながら、理想のマイホームを低予算で手に入れるためのお手伝いをしています。オープンシステムとは分離発注形式と呼ばれる手法の施工法で、家造りに関するすべての情報を受注者にオープンにしながら、施主の要望を最大限に反映できるのが特徴です。
「一つの住宅を完成させるためには、基礎工事や左官屋のほか、水回り工事やクロス・タイル張り、大工さん、庭師、屋根工事屋など、約20〜25もの専門業者が施工に携わっています。これら専門家たちを集め、業種ごとの経費や材料費などを算出することで、工事にかかる必要最低限の予算を割り出すことができます。正直時間や手間暇はかかりますが、自分の住みたい理想の家を、大手メーカーの家よりも安い予算で建てることも可能です」と、羽鳥さんはオープンシステムによる施工をアピールしています。
すべての施工主に満足してもらえる仕事を模索して
オープンシステムでの羽鳥さんの役割は、昔で言う「大工の棟梁」です。それぞれの専門家を統括しながら、お客様の住宅を完成させていく司令塔。もちろん大変な仕事ですが、ただ図面を引くだけの仕事よりも充実感を味わうことができると語ります。
羽鳥さんは仙台市の出身。中学生のころから有名建築家の写真集を見て、建築の造形美にあこがれていたそうです。「いつか自分も美しい建築物を設計してみたい」との思いを実現するため、建築関係の大学へと進学。卒業後東京の設計事務に就職しました。
「仕事をしていくうちに、昔ながらの建造物に興味を持つようなりました。その建造物の時代背景を勉強するため、大学へ入り直して歴史を勉強したいと考えるようになり、学費を稼ごうと仙台の実家へと戻ってきました」
結局は諸事情により大学進学を断念。改めて仙台の設計事務所で働き始めた羽鳥さんは、ほどなくオープンシステムのことが詳しく書いてある一冊の本と出合います。「少しでも多くの施主様が満足できる家造りをしたい」と考えていた羽鳥さんは、その思いを実現するのに最も適している手法がオープンシステムだと確信したそうです。
自らの目標を実現するため、1997年に現在の設計室の前身となる羽鳥設計室CREA を立ち上げ独立。2003年にはオープンシステムの仕事を積極的に展開するための会社である羽鳥建築設計室を設立しました。
情報充実。猫の話題も満載のHPへアクセス
羽鳥建築設計室では、新築住宅の相談や施工はもちろん、ラフプランの作成や概算の見積、金融機関との融資交渉など、家造りに関するすべての相談を受け付けています。相談数は年に10件ぐらい。最近は新築住宅への関心が高く、問い合わせの件数も年々増加傾向にあるそうです。相談内容でもっとも多いのは予算について。あとは耐震性や断熱性といった品質面や、オール電化などへの疑問・質問も少なくないそうです。
「この仕事で一番大変なのはバランスをとること。施主様のイメージを具体化するために、予算に対してのコストパフォーマンスや、耐震性などの品質をクリアしながら、お客様に納得して頂けるような家造りをしていきたい」とほほ笑む羽鳥さん。「これからもオープンシステム普及のために尽力していきたい」と意気込みます。
「今後の目標は“自分らしさが表現できる家造り”です。お客様の願いを実現しながら、完成した家が羽鳥建築設計室で手がけた家だと分かるような仕事ができればうれしいですね」
家を建てるだけではなく、リフォームやちょっとしたトラブルなどの相談を受け付けています。家造りに興味がある人もない人も、さまざまな情報が満載のホームページに一度アクセスしてみよう。
(取材年月:2009年12月)